掛軸って何? (表具・経師のマメ知識 1)
一口に表具と言っても様々な種類があり、その一つ一つに深い歴史があります。
床の間がつくられるようになったのは鎌倉時代だが、そこに仏画をかけ、
香花を供えて仏壇代わりにしたのが始まり。
室町時代になり、貴重品や愛玩物を飾る場所になる。
中国より宗元画の掛軸が多く輸入され、また茶道華道が流行したので、格好の鑑賞品として床の間を飾ることになった。
- 北画・南画
南北朝(足利)時代に倭絵(やまとえ)の風景画が盛んであったが、 北画 は雪舟・狩野派によって大成された桃山時代の華やかな壁画も、北画から。
南画は中国桂林の山々そっくりだが、日本の山水画の手本になっていた。 - 水墨画
濃淡法や陰影法に描かれた墨の絵。色を使った絵よりも自然を感じる。 - 茶掛
書蹟と絵画がある。墨蹟、一行、古筆、懐紙、色紙、短冊など。 - 拓本
石摺りとも言う。石碑・木・金属などに刻まれた文字、文禄を直接写し取ったもの。 - 神
蓬莱山、天照皇大神、七福神、鐘馗(しょうき)など。 - 仏画
曼荼羅(マンダラ)、阿弥陀三尊、釈迦三尊、十三仏、涅槃、慈母観音、だるま、寒山拾得、牧童十牛、御集印、絵伝、その他各宗派。 - 書
お題目、六字名号、円相、般若心経、正信念仏偈、禅語、漢詩。 - 花鳥画
四君子、四季草花、松竹梅、四季花鳥、花、鳥など。 - 動物
鯉、鹿、龍、虎、猿、獅子、海老など。 - 風景画
富士、松島、上高地、斑鳩、日の出と海波、瀑布(滝)など。 - 古事・伝記
三保の松原、高砂、一富士二鷹三茄子、家康遺訓、俳句など。 - 人物画
聖徳太子、菅原道真。 - 節句画
雛、武者。